つるがの山車の武者人形は本物の甲冑に身を包む

つるがの山車の武者人形が身にまとう甲冑は、実際に人が身に着けることができる本物の武具で、多くが江戸時代に作られたものです。

日本の古い甲冑は、鉄や革でできた小さな板(さね)を何百枚も重ね、糸で繋げて作られています。武家では重厚な色彩のものが好まれましたが、山車の人形に着ける甲冑は、金や朱の塗りや、鮮やかな色糸が用いられた煌びやかなものが多く残されています。装飾に使用するための補修も多く、別の甲冑の部品を利用したものや、後から作った飾りを付けているもの、中には古い甲冑を模して新しく作ったものも見られます。

馬に載せる馬具も、本格的に作られた実物を用いており、特に東町に伝わった一揃いの馬具は、豪華な装飾の優れたものです。

本物の甲冑を用いるためか、つるがの山車の人形は等身大です。他の地域では、祭礼の花形である山車に大型の人形を載せるものもありますが、優れた本物を人形の装飾に使用するというのは、敦賀の町衆のこだわりなのかもしれません。