つるがの山車は細部の装飾にまで贅を尽くします

<能面-日本の古典芸能「能楽」専用の面>

つるがの山車は、人形の顔に「能面」を用いるのも特徴です。能面は、日本の古典芸能の一つで、面を付けて演じる歌舞劇「能楽」専用の面です。各町には、山車と共に江戸時代(150年以上前)から残されてきた能面も多くあります。つるがの山車は毎年飾り付けを変えてもよいため、町では多くの能面を所有していたようです。合戦物が人気だったためか、能面としてよく知られる女面は少なく、男神系の面が多いのが特色です。

<金工品> 舞台座を囲む漆塗(うるしぬ)りの欄干(らんかん)などに付ける(かざり)金具は、中には江戸時代に作られた古いものも見られ、取り外して再利用することもあったようです。現在の山車では、四隅に付ける隅金具や幕をつなぐ蝶番などは新しいものですが、江戸時代に贅を尽くして作られたものも一部残されています。東町山車の隅金具は、竹と雀(取り合わせの良い一対として日本画の図柄にもされる)をモチーフにした精巧な金工品で、他に類を見ない、つるがの山車のためにデザインされたものとみられます。