『つるがの山車』を守り、魅力を伝える使命をもって生まれた山車会館

1997年(平成9)5月

 みなとつるが山車会館は、氣比神宮例大祭で巡行する勇壮華麗な山車を保管し、展示紹介する施設です。

 つるがの「山車巡行」は、港町敦賀の繁栄を象徴してきた長い歴史をもつ伝統行事です。1575年(天正3)に織田信長が観覧したという言い伝えもあり、室町時代末期ごろには成立していたと考えられています。

 山車巡行は、戦争の影響で中断され、1945年(昭和20)の空襲では多くの山車が焼失しました。戦後、山車の復活を望む町の人達の努力で、戦火を免れた3基が復活し、1994年(平成6)には3基が復元され、計6基の山車で戦前の巡行の姿を取り戻しました。

 この文化財的価値の高い山車や装飾品等を安全に収納し、『つるがの山車』の魅力と、保存継承の大切さを伝えるための施設として、【みなとつるが山車会館】が整備されました。

 これに合わせて、明治に建てられた「旧大和田銀行本店社屋」を改修整備し、港町敦賀の資料を展示する別館として活用しています。